海外生活や海外旅行に行かれる方に。最新の海外の状況や事情をリサーチ&ピックアップしたまとめページです。 皆様の海外生活や旅行のヒントになれば幸いです


見どころ&ポイント:
✔ スペイン北部・リオハ地方の州都で、世界的に有名なリオハワインの本場
✔ 名物はピンチョス(小皿料理)、子羊やチョリソのグリル、ガーリックスープなど
✔ 通り全体が“食の巡礼地”となるタパス通り「ラウレル通り」は必訪スポット
✔ 地元ワインとともに楽しむ、気軽で奥深い“スペインらしい食の時間”

ログローニョ(Logroño)は、スペインを代表するワイン産地・リオハ地方の中心都市。カミーノ・デ・サンティアゴ(巡礼の道)の宿場町として栄えた歴史を持ち、古い石造りの街並みと現代的な食文化が見事に調和する、知る人ぞ知る美食の町です。

この街の名物といえば、やはりピンチョス(Pinchos)。バルのカウンターにずらりと並ぶ小皿料理は、パンの上に載ったものから、串に刺さったグリル肉や魚介の一品、温かい煮込み料理まで多種多様。特に有名な「ラウレル通り(Calle Laurel)」には、数十軒のバルが立ち並び、ひと皿+一杯の“はしご”を楽しむのが地元流です。

ピンチョスと並んで味わいたいのが、リオハ地方の郷土料理。炭火で焼いた子羊の串焼き「コルデロ・アサド」や、にんにくたっぷりの温かいスープ「ソパ・デ・アホ」は、素朴ながら体にしみ込む味わい。スペインらしい素材と調理のシンプルな力強さが際立ちます。

そしてもちろん、ログローニョの食に欠かせないのが「リオハ・ワイン」。深く濃い赤ワイン(ティント)を中心に、バリック(樽)熟成の香り高い味わいが、肉料理や濃厚なピンチョスと抜群の相性を見せてくれます。地元バルではグラス1杯から気軽に楽しめるのも嬉しいところ。

近年では、伝統的なピンチョスに加え、地元の若手シェフによる創作系ピンチョスも登場し、見た目にも美しく、遊び心ある“進化するバル文化”が楽しめるようになっています。

ログローニョは、ワインと一口料理で巡る“味の小道”の町。
旅人はその日の気分と会話の流れに任せて、ひと皿、ひと杯、ひと通りを重ねていく――
そんな自由で心満たされる食の風景が、この町には広がっています。

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見どころ&ポイント:
✔ アイルランドの首都で、文学と音楽、そして“パブ文化”が根づく歴史ある港町
✔ 名物は「アイリッシュシチュー」「コルカノン(じゃがいもとキャベツのマッシュ)」など
✔ ギネスビールや地元クラフトビールと合わせて楽しむ素朴なパブ飯が充実
✔ 地元食材を活かしたモダン・アイリッシュの台頭も注目を集める

ダブリン(Dublin)は、アイルランド東海岸に位置する活気ある文化都市。歴史的な街並みのなかに詩人やミュージシャンが集うパブが点在し、食もまた「語り合う時間の延長」にあるような、あたたかな雰囲気が漂っています。
そんなダブリンの食文化は、じゃがいもや肉、根菜などを中心にしたシンプルで滋味深い料理が主役です。

なかでも代表的なのが、「アイリッシュシチュー(Irish Stew)」。ラムやマトンを骨ごと煮込み、じゃがいも、人参、玉ねぎなどと一緒にコトコト煮込んだ家庭料理で、**素朴ながら深いコクと旨味が広がる、アイルランドの“おふくろの味”**です。
これに添えるのが、「ソーダブレッド」という重めの無発酵パン。ほんのり甘くて素朴な味わいが、スープと好相性です。

また、じゃがいも料理のバリエーションも豊富で、キャベツやケールを混ぜたマッシュポテト「コルカノン(Colcannon)」や、揚げ焼きにした「ボクスティ(Boxty)」など、土地に根ざした飽きのこない料理が並びます。

そして何より、ダブリンの食の風景を語るうえで欠かせないのが**“パブ文化”**。
地元の人々が集うパブでは、ギネスビールや地元クラフトビールとともに、フィッシュ&チップス、ミートパイ、ビーフのギネス煮込みなど、ボリュームたっぷりで親しみやすい“パブ飯”が揃います。
食べて、飲んで、語り合う。そんな時間のなかにこそ、アイルランドの豊かさが息づいています。

最近では、ダブリンの食シーンにも変化が。地元食材や伝統的な調理法をベースにしながら、洗練されたアレンジを施すモダン・アイリッシュのレストランやカフェが続々と登場し、グルメな旅人からも注目を集めています。

ダブリンは、心と体を温める“静かなごちそう”が詰まった街。
気取らず、まっすぐに、じんわりと沁みてくる料理と出会える場所です。

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見どころ&ポイント:
✔ エミリア=ロマーニャ州北部に位置する、ルネサンスの面影を残すユネスコ世界遺産の城塞都市
✔ 名物は「カッペレッティ・イン・ブロード(肉詰めパスタのスープ)」や、かぼちゃのトルテッリ、鳩料理など
✔ エステ家ゆかりの宮廷文化が息づく、洗練された郷土料理が豊富
✔ 食の都ボローニャやモデナに劣らぬ、“知られざる美食の宝庫”

フェッラーラ(Ferrara)は、エミリア=ロマーニャ地方でも少し東に位置し、中世〜ルネサンス期の格式ある街並みがそのまま残る、静かで優雅な都市。芸術と知のパトロンとして名を馳せたエステ家の支配下で栄えたこの町には、今もなお宮廷文化の洗練と農村の素朴さが織り重なったような、奥深い食の世界があります。

まず味わいたいのが、冬の定番でもある「カッペレッティ・イン・ブロード(Cappelletti in brodo)」。小さな帽子型のパスタの中に、チーズや肉の詰め物を入れ、鶏や牛のブロード(出汁)で優しく煮込んだ一皿は、滋味深く、身体と心をじんわりと温めてくれる冬のごちそう。町のトラットリアでは、レシピの違いを楽しむのも醍醐味です。

また、秋から冬にかけての名物が、「トルテッリ・ディ・ズッカ(かぼちゃのトルテッリ)」。甘みのあるかぼちゃにアマレッティ(イタリアのビスケット)やナツメグ、パルミジャーノを加えた餡を詰めたこのパスタは、甘さと塩気のバランスが絶妙なフェッラーラならではの繊細な味です。

さらに、エステ家時代の伝統を今に伝える料理として、「ピジョンのロースト(鳩のグリル)」なども健在。かつては上流階級のごちそうであったこれらの肉料理は、現在ではフェスティバルや特別な日に食されることが多く、料理を通じて歴史の一部を体験できるのも魅力です。

街の中心にある市場やパン屋では、名物の「コッピア・フェッラレーゼ(Coppia Ferrarese)」というねじれた形の硬めのパンもぜひ試してみたい一品。オリーブオイルと小麦の香りがしっかりと感じられ、**どんな料理にも寄り添う“フェッラーラの味の礎”**となっています。

フェッラーラは、ルネサンスの気品と土地の素朴さが美しく混ざり合った美食の都。
静かに佇む城郭都市で味わう一皿には、時を超えて受け継がれてきた“イタリアの優雅な日常”が息づいています。

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