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2025年03月


アメリカ南東部、サウスカロライナ州に佇むチャールストンは、石畳の道とパステルカラーの家々が美しく調和する、南部らしい優雅な雰囲気が漂う港町。アメリカ建国以前の植民地時代から栄え、今も街のあちこちに残る歴史的建築と木陰のプロムナードが、訪れる人々を時の旅へと誘います。

この美しい町でぜひ味わいたいのが、海の恵みを豪快に楽しむ「シーフード・ボイル」。エビやカニ、ムール貝、トウモロコシ、ソーセージなどを香辛料とともに大鍋で煮込み、テーブルいっぱいに広げて手づかみで頬張るスタイルは、家族や仲間との食の時間を大切にする南部らしい風景のひとつ。ピリッとスパイシーな味付けと素材の旨みが絶妙に絡み合い、自然と笑顔がこぼれます。

添えられることの多い**「グリッツ」**は、とうもろこしの粗挽き粉から作る南部の伝統的なおかゆのような料理。クリーミーでやさしい口当たりは、エビやチーズ、ベーコンなどのトッピングと相性抜群で、ほっとするような味わいです。

そして食後には、**「ピーカンパイ」**で締めくくりを。香ばしいピーカンナッツと濃厚なフィリングが詰まったこのパイは、南部の家庭の味そのもの。コーヒーとともにゆっくりと味わえば、まるでこの町のやさしさに包まれているかのようなひとときが訪れます。

チャールストンは、歴史と海と、心をほどくような料理が寄り添う町。暮らすように旅することの楽しさを、そっと教えてくれる場所です。


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ペルーの首都リマは、南米の中でもとりわけ「美食の都」として知られる街。太平洋沿岸に広がるこの大都市は、インカ文明、スペイン植民地時代、そして日本・中国・アフリカ移民の影響が複雑に交差し、独自の多民族文化を築き上げてきました。その背景が色濃く反映された料理は、今や世界のグルメ都市ランキングでも上位に名を連ね、食の都として世界中の注目を集めています。

リマを代表する料理といえば、やはり**「セビーチェ」**。新鮮な白身魚をライム果汁で〆て、タマネギ、唐辛子、コリアンダーを添えた一皿は、シンプルながら繊細な味の重なりが際立つ逸品。キーンと冷えた白ワインやチチャ(とうもろこしのドリンク)とともにいただけば、潮風とともにすっと心まで澄んでいくような感覚を味わえます。

もう少しローカルな一品として外せないのが、「アンティクーチョ」。牛のハツを香ばしく焼いた串焼きで、屋台や家庭の味として親しまれています。柔らかくコクのある肉にスパイスがしっかりと染み込み、食欲をそそる香りが漂います。

さらに、ペルーらしさが詰まった家庭料理**「パパ・ア・ラ・ワンカイーナ」**もぜひ試したいところ。ゆでたじゃがいもに、チーズと黄唐辛子のソースをかけたこの料理は、見た目も味もやさしく、素朴ながら心をほっとさせる一皿です。

リマの料理は、**過去と未来、多文化と革新が融合した「食のラテンアメリカン・モダニズム」**ともいえる存在。高級レストランから市場の屋台まで、あらゆる場所で驚きと感動に出会えるはずです。

食べることは、文化を旅すること。リマでは、その言葉の意味を、何度もかみしめたくなるような体験が待っています。

【太平洋の潮風とアンデスの香り | リマで出会うセビーチェと進化する美食のかたち】の続きを読む


アメリカ北西部、カスケード山脈とコロンビア川に抱かれた街ポートランドは、「住みたい街」としても名高い、自然と創造性に満ちた場所。レンガ造りのカフェやブックストア、マーケットが並ぶこの街は、どこか控えめで、それでいて芯のある雰囲気を醸し出しています。“Keep Portland Weird(ポートランドをヘンなままで)”というスローガンに象徴されるように、独自性を尊ぶ文化が深く根づいています。

そんなポートランドの食文化の中心にあるのが、クラフトビール。地元には数多くのマイクロブルワリーが存在し、ホップの香り豊かなIPAから、まろやかなスタウト、フルーティーなサワーエールまで、個性あふれる一杯が揃います。パブやビアホールでは、季節ごとの限定醸造を味わうのも楽しみのひとつ。

もうひとつこの街ならではなのが、ビーガン料理の充実ぶり。動物性食材を使わずとも、創造力に富んだ一皿が多く、豆やナッツ、旬の野菜を巧みに活かした料理は、味わい深く、見た目も美しい。ビーガン・フレンドリーなレストランが街のあちこちにあり、食の選択肢の広さに驚かされます。

そして何よりも、ポートランドの食には**「ローカルであること」**への誇りが感じられます。週末のファーマーズマーケットでは、生産者との会話を楽しみながら、新鮮な野菜やクラフトチーズ、焼き菓子などを手に取ることができ、まさに土地と人のつながりを感じる体験となります。

自然との共生と個性を大切にするポートランドでは、**丁寧に選ばれた素材と、自由な発想がつくる“心地よい美味しさ”**が、訪れる人の心に静かに染み込んでいきます。

【緑の街で見つける、小さなこだわりと大きな味 | ポートランドで楽しむクラフトビールとローカルフード】の続きを読む


標高2,000メートルを超える高原に広がるメキシコの首都、メキシコシティ。アステカの古都テノチティトランを起源とするこの大都市は、現代的な喧騒と深い歴史が重なり合う不思議な魅力を放っています。中心部には植民地時代の建築が並び、郊外には壮大なピラミッド群──**世界遺産「テオティワカン」**が静かにその姿を残します。

そんな歴史と文化が息づくこの街で欠かせないのが、屋台(ストリートフード)の魅力に満ちたグルメの世界。まず味わいたいのが、地元民にも観光客にも愛される定番、「タコス・アル・パストール」。回転式グリルで焼かれた豚肉にパイナップルの甘みが重なり、タマネギやパクチー、チリソースとともにトルティーヤに包まれた一品は、まさに“メキシコのソウルフード”。

もうひとつのローカルフード、**「トルタ」**は、メキシコ風のサンドイッチ。カリッとしたパンに、ハムやミラネサ(カツレツ)、豆のペーストやチーズをたっぷり挟み、ボリューム満点の味わいが楽しめます。屋台やマーケットで気軽に手に入り、散策のお供にもぴったりです。

そして街角で香ばしい香りを漂わせているのが、**「エスキーテ」**と呼ばれる焼きトウモロコシ。チリパウダー、ライム、マヨネーズ、チーズをたっぷりとまぶしたこの一品は、刺激と甘みが絶妙に混ざり合う、クセになる味わい。

メキシコシティは、古代と現代、素朴さと創造性が融合する“食の舞台”。通りに溢れる活気とともに、香り高いローカルグルメを頬張れば、この都市の奥深さが口の中いっぱいに広がります。

【古代遺跡と屋台の香りに誘われて | メキシコシティで味わうタコスと街角の幸福】の続きを読む


アメリカ最北の地、アラスカ州に広がるグレーシャーベイ国立公園は、氷河が海へと崩れ落ちるダイナミックな風景と、静寂に包まれた原生の自然が魅力の世界遺産。フィヨルドの奥深くまで続くこの氷の大地では、クジラやラッコ、イーグルたちが悠々と暮らし、まるで太古の世界に迷い込んだかのような感覚を味わえます。

この極北の自然とともに生きてきた人々が育んできたのが、アラスカならではの素朴で力強い食文化。中でも代表的なのが、冷たい海で育った脂の乗った「サーモン」。スモーク、グリル、缶詰、ジャーキーなど、保存や味付けの工夫が施されたさまざまな形で楽しまれており、どれも自然の恵みを凝縮したような濃厚な味わいが特徴です。

さらにユニークなのが、「トナカイソーセージ」。クセの少ない赤身肉で作られたソーセージは、スモーキーな香りと野性味をほんのり感じさせる一品。ホットドッグとして手軽に楽しめるスタイルも多く、アラスカの街角グルメとして人気です。

そして、忘れてはならないのが、厳しい気候の中でもたくましく実るベリー類の存在。ブルーベリーやラズベリー、クラウドベリーなどを使ったジャムやパイは、北の大地がもたらすやさしい甘さ。朝食やティータイムに、心がほどけるようなひとときを添えてくれます。

アラスカの旅は、ただ雄大な自然を眺めるだけでなく、人と自然が共に暮らしてきた記憶を、食を通して感じる体験でもあります。静けさの中に息づく命の味わいを、じっくりと味わってみませんか?

【氷河のきらめきとともに | アラスカで味わうサーモンと大地の恵みの記憶】の続きを読む

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