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2025年03月


アリゾナ州北部に位置するセドナは、赤く染まる奇岩群とスピリチュアルな気の流れで知られるヒーリングの聖地。ボルテックスと呼ばれるエネルギースポットが点在し、訪れる人々は大自然の中で心と体をリセットする時間を求めてこの地を訪れます。赤土の風景と青空が織りなす絶景は、まるで別世界のような静けさと力強さを併せ持っています。

そんなセドナの食文化は、自然との調和を大切にしたヘルシーで心地よい食の世界。特に印象的なのが、地元で採れるサボテンの果実を使ったジャムやシロップ。トゲの奥に眠るフルーティーな甘さは、太陽と大地のエネルギーを凝縮したような優しい味わい。朝食のパンに塗るだけで、セドナの一日が静かに始まります。

また、健康志向の高いこの街には、ベジタリアンやヴィーガン料理を提供するレストランやカフェが豊富に点在。豆類や全粒穀物、新鮮な野菜をたっぷり使ったボウル料理や、ナッツベースのスイーツなど、身体にやさしい料理が日常の中に溶け込んでいます。

さらに、オーガニックカフェでは、ローカル食材を使用したジュースやスムージー、グルテンフリーメニューが揃い、まるで体の中から整っていくような清々しさを感じさせてくれます。窓の外に広がる赤い大地を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせば、まさに“食べる瞑想”のような体験に。

セドナでは、風景も、空気も、そして食までもが心と身体を癒す旅の一部。内なる声に耳を傾けながら、大地の恵みを味わってみませんか?

【赤い岩と静寂の中で | セドナで味わうサボテンジャムと心を整えるヴィーガンの一皿】の続きを読む


メキシコ南部、山々に囲まれた古都オアハカ。先住民文化とスペイン植民地時代の面影が共存するこの街は、カラフルな建物と石畳の道が広がる、美しくもどこか懐かしい空気に満ちた世界遺産の町です。市場や祭りに息づく伝統、豊かな手工芸、そして何より「メキシコの食の都」としての名にふさわしい深みあるグルメの世界が、訪れる人々を魅了してやみません。

そんなオアハカを象徴する料理が、「モーレ」。チリ、スパイス、ナッツ、そしてチョコレートを煮詰めてつくられるこの濃厚なソースは、手間ひまかけた家庭の味。中でも代表的な「モーレ・ネグロ」は、甘さ・辛さ・香ばしさが複雑に重なり、まるで一皿で物語を語るかのような深みを持ちます。チキンやトルティーヤとともにいただけば、五感にじわりと響く感動が広がります。

もうひとつの名物は、「トラジューダ」。薄く焼いた大判のトルティーヤに黒豆のペーストやチーズ、野菜、肉などをのせて焼き上げた、まるでメキシカンピザのようなローカルフード。サクッとした食感と豊かな具材のコントラストが楽しく、屋台でもレストランでも愛されている一品です。

この地に根づく料理には、先住民の知恵、自然の恵み、そして人々の誇りが込められています。オアハカを旅することは、味と香りを通してメキシコの深層に触れる体験。ひと皿の中に広がる豊かさを、ぜひ味わってみてください。

【彩りの街で巡る、記憶に残るひと皿 | オアハカで味わうモーレとトラジューダの深い余韻】の続きを読む


ユカタン半島の中心都市メリダは、マヤ文明の深いルーツとスペイン植民地時代の面影が息づく、静かで情熱的な町。白壁のコロニアル建築が並ぶ通りには、どこか懐かしい時間が流れ、陽ざしに揺れるヤシの葉が南国のリズムを感じさせてくれます。マヤ遺跡チチェン・イッツァやセノーテ(泉)群への玄関口でもあり、文化と自然が交差する旅の拠点です。

そんなメリダでぜひ味わいたいのが、ユカタン地方ならではの伝統料理。代表的なのが、「コチニータ・ピビル」。豚肉にオレンジ果汁やアチョーテ(赤いスパイス)をまぶし、バナナの葉で包んでじっくりと蒸し焼きにした一皿は、香り高く柔らかで、口の中でほろりとほぐれる極上の味わい。トルティーヤに包んでタマネギやサルサとともに食べれば、地元の味がそのまま伝わってきます。

もうひとつの名物が、「ソパ・デ・リマ(ユカタン風スープ)」。ライムの酸味が爽やかに効いた鶏のスープで、トマトや香味野菜のうまみが凝縮されています。軽やかながら深い味わいで、暑い気候にもぴったりの優しい料理です。

この地の料理には、マヤの伝統とスペインの技法が融合した独特の文化的バランスが宿っています。地元のマーケットや家庭的な食堂で出会うひと皿ひと皿に、歴史と人々の暮らしがしっかりと刻まれています。

メリダでは、派手ではないけれど、**確かに心に残る“あたたかい味”**に出会えます。食卓に宿る物語を通して、土地の奥行きをじっくり感じてみてはいかがでしょうか。

【南国の陽ざしと石畳の街で | メリダで味わうコチニータ・ピビルとマヤの記憶】の続きを読む


標高3,400メートル、アンデスの山々に抱かれた古都クスコ。かつてインカ帝国の首都として栄えたこの街は、マチュピチュへの玄関口としても知られ、石畳の路地や太陽神殿跡、スペイン植民地時代の教会が交錯する、壮麗で静かな時間が流れています。ユネスコ世界遺産に登録されたこの地には、標高とともに深まる文化と、人々の知恵が今も息づいています。

そんな高地の暮らしの中で育まれてきたのが、素朴で栄養価の高いアンデスの食文化。まずいただきたいのが、ペルー原産のスーパーフード、「キヌア」を使ったスープ。野菜や香草とともに煮込まれた温かい一杯は、体の芯からじんわりと温めてくれる、標高の高い土地ならではのやさしい味わいです。

そして、ここでしか出会えない特別な味が、「アルパカステーキ」。赤身で低脂肪、高タンパクなアルパカの肉は、クセが少なく、驚くほど柔らか。香草とともにグリルされ、地元のソースやじゃがいもと一緒に供されるその一皿は、アンデスの恵みをまるごといただくような感覚を与えてくれます。

食後には、ぜひ**「コカ茶」**を。標高の高いこの地域では、古くから高山病予防や疲労回復のために飲まれてきた伝統のハーブティーで、さわやかな風味とともに呼吸がすっと楽になるような清涼感があります。

クスコの料理は、派手ではなくとも、土地と人の歴史が詰まった滋味深い“命の食”。一皿ごとに、インカの記憶とアンデスの息吹を感じることができる、特別な食の旅が広がっています。

【天空の都でいただく、命の糧 | クスコで味わうキヌアとアルパカのアンデス料理】の続きを読む


ブラジル北東部、バイーア州の州都サルヴァドールは、大西洋に面した明るく陽気な港町。カラフルなコロニアル建築が並ぶ歴史地区ペロウリーニョには、太鼓とサンバのリズムが響き、祈りと踊りが混ざり合うこの街独自の空気が流れています。**アフリカ系移民の文化が色濃く残る「アフロブラジリアン文化の中心地」**としても知られ、そのスピリットは、料理の中にも力強く息づいています。

まず味わいたいのが、バイーア料理の代表格、「ムケッカ」。白身魚やエビを、ココナッツミルク、トマト、タマネギ、香草、そして独特の香りを持つデンデ油(パームオイル)とともに煮込んだ一皿は、濃厚でスパイシー、そしてどこか南国のやさしさを感じさせる味わい。ごはんと一緒に食べれば、身体の芯まで温かくなるような満足感に包まれます。

そして街角の屋台で必ず出会うのが、「アカラジェ」。黒目豆をすり潰して揚げた生地に、干しエビ、サルサ、ピリ辛のソースなどを挟んだこのストリートフードは、サンバのリズムに乗せて食べたくなるほど力強く、個性あふれる味。宗教儀式とも深く関わるこの料理は、単なる食ではなく、**文化と信仰が詰まった“食べる祈り”**とも言える存在です。

サルヴァドールの料理は、アフリカ、先住民、ポルトガルの要素が三位一体となって生まれた、まさに歴史の記憶そのもの。スパイスの奥にある物語を感じながら、海沿いの風とともに、豊かで力強い味の世界に浸ってみてください。

【太鼓のリズムと潮の香りに誘われて | サルヴァドールで味わうムケッカとアカラジェの情熱 🌊🥥🔥】の続きを読む

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