海外生活や海外旅行に行かれる方に。最新の海外の状況や事情をリサーチ&ピックアップしたまとめページです。 皆様の海外生活や旅行のヒントになれば幸いです

2025年06月


南フランスの夏といえば、一面に広がるラベンダー畑。
観光地として写真映えするだけではなく、実はこの季節、地元では本格的なラベンダーの収穫と加工の季節でもあります。
今回は、そんな季節の風物詩に触れる体験として、ラベンダーの手摘みと手作り石けんのワークショップに参加しました。

💐 畑に入ると、香りと静けさに包まれる
訪れたのはプロヴァンスの小さな村にある家族経営のラベンダー農園。
足を踏み入れると、ラベンダーの香りがふわっと漂い、虫の羽音と風の音しか聞こえない静かな世界が広がっていました。
手渡された小さな鎌で、慎重にラベンダーを刈り取る――それだけの作業なのに、心がすっと落ち着いていくのが不思議です。

🧼 自分の手で石けんを作る時間
午後は、刈り取ったばかりのラベンダーを使った石けん作り体験。
ラベンダーの精油を抽出するデモンストレーションのあと、自分好みの香りと形でハンドメイド石けんをこねていきます。

石けんの素地にドライラベンダーを混ぜ込んだり、型に押し当てたり――
**“作業”というより、香りと手ざわりを楽しむ“癒しの時間”**といったほうがぴったりかもしれません。

🌿 暮らしの中に根付いた植物の力
ワークショップを主催する農家のマダムは、
「ラベンダーはね、見た目が綺麗なだけじゃなくて、昔からこの土地で人を助けてきた植物なの」と語ってくれました。
虫除け、消毒、安眠、リラックス……
石けん作りの背景には、自然と共に生きてきた人々の知恵が息づいていることに気づかされます。

💬 まとめ
ラベンダー畑での収穫と石けん作り体験は、観光というより**「丁寧な暮らし」に少しだけ触れるような時間**でした。
どこかで買ったお土産よりも、自分の手で作った香りの記憶のほうが、旅のあとも長く心に残ります。

もし夏のプロヴァンスを訪れるなら、
ただ見るだけではなく、**“香りに触れる旅”**もぜひ体験してみてください。

【フランス南部の“ラベンダー収穫と石けん作り”体験記 ──香りに癒され、手を動かして気づいた“暮らしに根付く知恵”】の続きを読む


カラフルでやさしい手ざわりのフェルト雑貨は、ネパールの手しごと文化を代表するアイテムのひとつ。
街のおみやげ屋さんでよく見かける可愛い小物たちは、どんな場所で、誰の手で作られているのでしょうか?
今回は、首都カトマンズ近郊のフェルト工房を訪ね、作り手たちの丁寧な暮らしと仕事に触れてきました。

🧶 石けんと水と、女性たちの手から生まれる形
工房に入ると、羊毛の柔らかな香りと、にぎやかな笑い声が迎えてくれました。
フェルト作りは、羊毛に石けん水をかけ、手でこすりながら形を整えるというシンプルな作業。
でも、動物や花、果物などの細かなモチーフを仕上げるには高い技術と根気が必要です。

ある女性は、丸いフェルトボールに小さな目と耳を付けて、くまのキーホルダーを作っていました。
「これは、子どもが喜ぶから好きなの」と、にっこり。

🧵 手しごとで、自分の時間と収入を得るということ
この工房では、多くの女性たちが子育てや家事と両立しながら働いています。
決まった時間に通う必要がなく、家庭での延長のような形で収入を得られるのが魅力だそう。

「ここで働くようになって、自分のものを自分で買えるようになった」
そう語る声には、手に職を持つことへの誇りが込められていました。

👜 おみやげのその先にあるストーリー
完成したフェルト雑貨は、カトマンズ市内のお店や、日本を含む海外へも出荷されています。
何気なく手に取った雑貨にも、誰かの時間と想いがこもっているということを改めて感じました。

形の揃わないところや、色むらさえも、**大量生産にはない“ぬくもり”**として伝わってきます。

💬 まとめ
ネパールのフェルト工房で見たのは、暮らしのなかに根付いた手しごとと、小さな自立のかたちでした。
旅の思い出に選ぶおみやげが、作り手たちの人生に少しだけ関われるのだとしたら――
その一つひとつが、旅のあとも心に残る贈り物になるはずです。

カラフルなフェルトの奥にある、静かで力強い日常を、そっと感じてみてください。

【ネパールの“フェルト雑貨工房”訪問記|女性たちの手しごと ──あたたかさが形になった、小さな工房での出会い】の続きを読む


ペルーの市場や村で目を引くのが、赤・黄・緑・紫など鮮やかな色で織られた布やバッグ、ポーチ。
いわゆる“アンデス織物”と呼ばれるこれらの布には、単なる民芸品を超えた文化と信仰の記憶が刻まれています。

今回は、なぜアンデスの織物がこれほどまでにカラフルなのか、その背景を旅先で見て感じたことを交えてご紹介します。

🌈 色には意味がある|自然と神々に捧げる色彩
アンデス織物に欠かせないのが、自然界を象徴する色使い。
赤は大地、黄は太陽、緑は山や作物、青は空と水…
それぞれの色には精霊や自然への感謝や祈りが込められています。

実際、村の女性に尋ねると「この布の赤は、母なる大地“パチャママ”への敬意だよ」と教えてくれました。
**色は装飾ではなく“意味を持った言葉”**なのです。

🧶 草木染めの知恵と、手仕事のリズム
アンデス織物の色は、もともと植物や虫(コチニールなど)から染められた天然の色素によるもの。
高地で採れる草木や鉱物を使い、天候や水の質に合わせて一つひとつ染める工程も手作業です。

さらに、織り機を使った織物は模様もすべて手織りで、糸の太さやテンションに合わせて、リズムよく織り進めていく熟練の技。

“鮮やか”というより、“力強い”と言いたくなる色使いは、まさに暮らしと風土が織りなす文化そのものです。

🧵 おみやげに選ぶなら|模様と用途を知るともっと楽しい
アンデス織物には用途によって呼び名があり、
赤ちゃんを背負うマンタや、贈り物を包むアウェジョなど、形も大きさもさまざま。

模様も村や家系によって異なる伝統パターンがあるため、同じように見えて実は“唯一無二”なのも魅力です。
旅先で見つけた一枚に、その土地の物語が込められているかもしれません。

💬 まとめ
アンデス織物がカラフルなのは、ただ“美しいから”ではありません。
それは、自然と共にある暮らしの記録であり、神々への祈りであり、家族の歴史を語る布なのです。

目に映る鮮やかさの奥に、山に生きる人々の深い知恵と想いが宿っていることを知ると、
旅のおみやげ選びが、もっと特別な時間になるはずです。

【ペルーの“アンデス織物”はなぜあんなにカラフルなのか? ──暮らしと祈りを織り込んだ、山の民の色彩】の続きを読む


フェズやマラケシュのスーク(市場)を歩いていると、独特の香りと色とりどりの染料に出会う場所があります。
それが、モロッコの伝統産業である革なめし工房「タンネリ」。ガイドブックでも有名ですが、
実際に目の前で職人の仕事を見ると、その想像を超える重労働と技術の高さに圧倒されます。

今回は、モロッコの革なめし職人たちの“日常”を覗いた体験を通じて感じたことをお届けします。

🧴 強烈なにおいの正体と、その役割
まず驚くのが、タンネリの“香り”。鼻を突く刺激臭の正体は、石灰や鳩の糞、牛の尿などを混ぜた液体。
これらはすべて、動物の皮を柔らかくし、余分な脂や毛を取り除くための天然の薬品です。

マスクをしながら黙々と皮を揉む職人たちの姿に、“匂い”を超えて伝わる誇りを感じずにはいられません。

🎨 色を染めるのは、すべて天然素材
なめしが終わった革は、丸い染料槽に浸して手染めされていきます。
使われるのは、サフランの黄色、ミントの緑、インディゴの青、ポピーの赤など、すべて自然由来の染料。

高温の太陽と風でゆっくりと乾かされた革は、風合いも柔らかく、鮮やかさも格別です。
“天然素材だけでここまで発色するのか”と、思わず声が出そうになります。

🧤 手袋もマスクもなし。それでも守られる誇り
現場では、手袋もゴーグルもなく、素手で革を扱う職人の姿が当たり前。
何十年と働くベテランも多く、「この仕事はうちの誇り」と胸を張って語るその表情は、
**単なる労働を超えた“伝統文化の担い手”**そのものでした。

革の一枚一枚に、この町の時間と人の手が染み込んでいることを感じました。

💬 まとめ
モロッコのタンネリは、観光客にとって“珍しい光景”であると同時に、
何世代にもわたって受け継がれてきた誇りある手仕事の現場です。

色鮮やかなバブーシュやバッグの奥には、過酷で丁寧な工程と、名もなき職人の技術が宿っています。

スークで革製品を手にしたとき、ぜひその背景にある“革の物語”にも、思いを馳せてみてください。

【モロッコの“革なめし職人”の仕事を目の前で見て驚いたこと ──観光名所では終わらせたくない、伝統と誇りの手しごと】の続きを読む


旅先でよく見かけるカラフルなビーズアクセサリー。
ケニアでは、伝統的なビーズワークが女性たちの大切な仕事として受け継がれています。

観光土産のひとつと思いきや、実際に工房でその制作を体験してみると、
そこにあるのは“おしゃれ”や“可愛い”をはるかに超える、繊細で根気のいる手しごとの世界でした。

🧵 一粒ずつ通す、気が遠くなるような作業
体験したのは、ナイロビ郊外の女性支援団体が運営するビーズ工房。
デザインに合わせて色や大きさをミリ単位で選び、ひと粒ずつ糸に通す作業は、想像以上に根気が要ります。

模様のズレは仕上がりに大きく影響し、
職人さんが1日で作るのは数本のブレスレットがやっとという丁寧さ。

見た目の軽やかさからは想像できない、静かな集中力と忍耐の積み重ねに感服しました。

🎨 模様や色には意味がある
色とりどりのビーズは、単なる装飾ではなく“メッセージ”を表す道具でもあります。
たとえば、赤は勇気、白は平和、緑は大地といったように、
マサイ族をはじめとする各民族に、それぞれの意味とストーリーがあるのです。

完成したブレスレットやネックレスには、その人の想いや願いが静かに込められていることを知りました。

💼 生活を支える“手に職”
ビーズワークは、ケニアの多くの女性にとって、家庭と両立できる大切な収入源でもあります。
工房では「この技術があるから、子どもを学校に行かせられる」という声も。

一見シンプルな手仕事に見えても、そこには暮らしを支える力と誇りが詰まっているのです。

💬 まとめ
ケニアのビーズアクセサリーは、ただの“可愛いお土産”ではありません。
一粒一粒に意味があり、暮らしの知恵と伝統、そして女性たちの想いが込められた文化のかけらです。

次にビーズアクセサリーを手に取るときは、
その背景にある静かな手仕事の時間と、そこに込められた誇りを思い出してみてください。
旅の記憶が、少しだけ深く、やさしくなるかもしれません。

【ケニアの“ビーズアクセサリー”づくりを体験してわかった技術力 ──カラフルな一粒に込められた、暮らしと誇りの物語】の続きを読む

このページのトップヘ