ベルベル(アマジグ)系の村々では、
パンは料理というより、食卓の中心に置かれる道具のような存在です。
小麦や大麦を挽き、
こねて、丸めて、平たくのばし、
石窯や鉄板で焼く。
豪華な装飾はありませんが、
その土地の気候と暮らしに合わせた形が選ばれてきました。
1. Khobz(ホブズ)
モロッコ全土で食べられる丸い平焼きパン。
外側はしっかり、中はやわらかく焼き上げます。
家庭では共用窯で焼くことも多く、
毎日の食卓に欠かせません。
2. Batbout(バトブート)
フライパンや鉄板で焼く、やや小ぶりの平パン。
中が空洞になりやすく、
具を挟んで食べられます。
山間部でも日常的に作られます。
3. Harcha(ハルシャ)
セモリナ粉を使った、やや厚みのある平パン。
表面に粗い粒感が残り、
バターや蜂蜜とともに食べられます。
朝食にも登場します。
4. Mlaoui(ムラウィ)
層を折り重ねて作る平焼きパン。
外側は香ばしく、中はもちっとした食感。
油を使いながら折り込むのが特徴です。
5. Aghroum(アグルーム)
アマジグ(ベルベル)語で「パン」を意味する言葉。
大麦を使った素朴な平焼きパンを指すことが多く、
山岳地帯では今も作られています。
6. Rghaif(ルガイフ)
薄くのばして焼く層状パン。
甘い具や塩味の具を包むこともあります。
都市部でも見られますが、
山間部でも日常的に作られます。
💬 まとめ
アトラス山脈の平焼きパンは、
料理の脇役ではなく、
食事そのものを支える基盤です。
スプーンの代わりに使い、
煮込みをすくい、
分け合う。
もしこの山岳地帯を訪れるなら、
観光料理だけでなく、
焼きたての丸いパンにも目を向けてみてください。
そこに、山の生活の輪郭が見えてきます。
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